天藾の城 元陽
中国 雲南省 ベトナムとの国境沿いに連なる2,000m級の哀牢山系の南部に少数民族が耕した世界最大級の棚田が有ると言う その雄大な有様は世界一の絶景であると幾度も写真家仲間から聞かされていたが、 実際に自分のこの眼で見る迄は、凄いらしいと思ってはいたが、実感する事は難しかった。
上海から昆明 までの移動は飛行機を使う、一日５〜６便程が飛んでおり３時間掛かるが、国内便でありバスに乗る感覚である。 この時期2月7日からは中国は農歴の旧正月と言う事で混雑を心配したが、上海虹橋空港も朝が早かったせいか比較的空いていた。 初日2月6日は昆明に到着してそのまま一泊し翌日の朝５時半に出発する。
（朝が早いので朝食はホテルに頼んでお弁当を用意出来るが、昆明のお弁当には必ず茹で卵が付いて来る。）
この茹で卵と言うのは僕にとっては大変なジンクスが有る代物で、大事な事を控えている時には、絶対に剥いてはいけない代物なのであるが、 その話はまた後で........
昆明から次の宿泊地でもある撮影ポイントの 元陽（新街) まで全長350km ５時間から６時間の道程になる。 空港や市内でもタクシーを貸し切りチャーターする事は可能だと聞いていたが、今回はVIPなお二人をお連れするので、慎重にプランを練った。 写真撮影を目的にした旅は長時間の移動が快適であるか、運転手の質が好いかどうかが非常に重要なので、上海の旅行代理店を通じて 事前に車種をや運転手を指定しておいたのである。 中国全土において時差は無いが、昆明の日の出はこの季節で７時を過ぎていたので、実際にはシンガポールと同じ２時間時差が有ると考えた方が好いのだろう。 時速120K前後で快調に高速道路を飛ばしていると、（通海）辺りで夜が開け始める。 南に向かうにつれて風景がどんどん南方風に変わって来る。赤土の大地にあちこちヒョロヒョロとした灌木が植わっていて、 ヤシの木が生えていたりするので、まるでインドネシアの道路を走っている様な錯覚に陥る。
途中（建水）と言うポイントで事前に上海の撮影老師に確認していた新しく開通した高速道路 （建水ー阿土）を使う これを通るのと今旧市を迂回するのでは１時間は違って来るので重要なルートだ！ （建水）は人口50万の大きな街で燕子洞と言う鍾乳洞 や孔子廟などが有るらしいが、今回はパスする。 その代わり気に入った風景が眼に留まると高速道路でも構わずに途中で何度か車を止めて撮影を行った。
阿土に到着すると紅河を渡り元陽の街に入る。
(紅河:この河がベトナムに流れてハノイに抜ける大河：ホン河となりトンキン湾にそそいでいる。)
河を渡り切った橋の袂に（元陽へようこそ）と書いてあるので、「おおぉ 到着したか！」と喜んだが、実は 元陽という町は二つあり私たちのチャーターした車の運転手も勘違いしたらしい。 一つは行政の中心で南沙と呼ばれる新しい街（地図上では元陽と記されている）、 もう一つは 新街 という古い町。古い方が新街なので、こんがらがる事請け合いのネーミングである。 普通に元陽と言うと古い元陽の事らしい。二つの元陽は30km程離れている。 この30kmがくせ者で、南沙から新街までは延々とうねった山道を登って行くのである。
道路にはガードレール等と言う物は所々しか設置されていないので、まさに命がけの気分だがチャーター車の運転手は自信が有るのか 先行車をどんどん追い抜くので、ハラハラする。何度か「安全にね」と声をかけたが、返事はするのだが彼は全くスピードを緩めなかった。 （再生タイヤを履いていない事を祈る）
約一時間で新街に到着するが、海抜2,000m級の山々が連なる山頂にへばりつく様に積み上げられた少数民族の街（元陽）が忽然と目の前に現れて来る。 反り返った屋根の格好や煤けて古びた街並は、アニメ宮崎はやおの世界を連想させる。まさに雲の上に浮かぶ街（天藾の城）その物だ。
新街の入り口は当然坂道なのであるが、そこから既にマーケットが始まっていて色とりどりの民族衣装を着込んだ人々でごった返しているので見ているだけでも楽しい。 彼らは道端に野菜、鶏、魚、衣類、日常生活品のありとあらゆる品物を並べて商いをしている。喧噪の中で出迎えられて、 唖然としていると、そのマーケットの上が我々が今晩泊まる宿であった。
（ 元陽雲梯大酒店:そのものズバリのネーミング:少数民族撮影に絶好のロケーションである）
元陽雲梯大酒店にチェックインを済ませ、昼食後に休む暇もなくホテル下のマーケットの撮影を開始する。もちろん被写体は カラフルな民族衣装を身にまとったハニ族、イ族、ミャオ族、ヤオ族、チワン族である。それぞれの部族で衣装に違いが有るが、 実は前日昆明に付いて早々に雲南民族村 （Yunnan nationalitis villages :少数民族のテーマパークみたいな所で、綺麗なおねいさんの写真が撮れる。:入場料70RMB) を訪れて学習しているので、有る程度の違いが解る。元陽新街にはハニ族とイ族が多いようである。 カメラを向けると一様に恥ずかしがって避けるが、話しかけてから撮ると笑顔に成ってくれる。人々はまだそれ程俗化されていないので友好的だと感じた。 マーケットは非常に混雑していて常に肩がぶつかる様な状態であったが、治安は良好である。 いつ迄この状態が保たれるのだろう、俗化のスピードは早いので多分ここ二三年ではないだろうか？
さて小一時間ほどでマーケットの撮影を切り上げてホテルに戻り運転手と打ち合わせると、新街から棚田撮影ポイントまで１時間の道程だと言う 日没の夕日に照らされた棚田撮影が目的なのだが、運転手は日没が夕方７時を過ぎるので、少し休んで４時頃出掛けてはどうかと気を使ってくれたが、 初めての場所なのでポイント設営も考えて早めに出発する事にする。 （やはり今回のメインイベントを前にして気が急いで 居るのだ）
元陽新街の廻りには幾つもの棚田が点在する。全福寨を支点として 牛角寨、多沙、阿猛控、猛品、多依樹、 等々であるが狙いを絞って、到着当日の夕日は猛品棚田 翌日の朝日は多依樹棚田を撮る事にする。
実際に我々は初めての場所を探して山道を登って行くのだが、棚田がどの位の規模なのか見た事が無い訳だから想像も出来ない訳で、少し車を走らせては 棚田が見えると車を停めて撮影をして、また走らせての繰り返しで、棚田に水が入っていない所が多く見られると、心配で農家を訪ねて水入れの時期を聞いたりしながらの 珍道中であったが、それらの心配は猛品棚田に到着した時に吹き飛んでしまった。 谷間のふもとから山の頂上迄どこまでも続く水を張った棚田の稜線はとうてい数えきれなく、逆光に照らされてキラキラと光り輝いている。
人生結構長く生きて来たつもりだが、自分の口から驚きが声に成って出て来るのは久しぶりである 「うぁ！うぉぉ〜」と訳の分からん驚きの呻き声であった。 興奮にかられて数本のフィルムを消費した後で少し落ち着いて、絶好の撮影ポイントを確保して残照に紅く染まる棚田を待ったが、残念ながらそのチャンスはやって来なかった。
こればかりはお天気や雲の状態が作用するのだから仕方なく諦めて機材を仕舞い帰路についた。(僕の茹で卵ジンクスは継続しているのだろうか？）
遅い晩ご飯は午後８時過ぎに食べ始めた、三ツ星ホテルの食堂だが想像以上に美味しくて驚く、特に肉質がジューシーで香ばしくローストされた雲南鶏が美味い！ 少数民族の使う香辛料（唐辛子や胡椒、塩等諸々がブレンドされていてタイの香辛料に似ている） を付けて食べるとご当地ビールの杯が進んだ。 香辛料が気に入ったので、訳を話して茶碗一杯分位をお土産として包んでもらい、お腹一杯に食べ散らかして120RMBであった。
最終日の朝は６時出発で多依樹棚田の撮影である この棚田への山道は石畳の道なので、振動が激しく相当に厳しい乗り心地 （車種を指定してワゴンにして好かったと実感する。）
目的地（多依樹棚田）には日の出前に到着したが、暗くて何が何なのか？ちっとも解らない。既に何台も車が到着していてチラチラとヘッドライトの明かりも見える。 先行組の中国人カメラマン達が既に崖の斜面にポイントを定めて準備しているようだ。 少し焦りを感じるが、真っ暗な状態では危険きわまりない場所でもあるので、ここは我慢我慢！ 車の中で夜明けを待っていると少数民族の子供が茹で卵をホーローのカップに入れて売りに来る。 彼らは先祖伝来の天にも昇る勇壮な自分たちの美田の価値を知らない、 今や世界中が価値の意識に目覚め情報が一瞬のうちに伝わる世の中に成っているのに、売る物は茹で卵くらいしか無いのである。
夜が白み始めるとおぼろげに棚田の全貌が見え始めた、最大級の棚田である。 Super-Angulon-R21mmレンズを使った２カットでも収まりきれないワイドパノラマだ、 切り立った山の稜線がVの字に交わった谷の間から麓に掛けて見事に雲海が広がっていた。 感謝の心を持ってこの地で写真を撮らせてもらわなければ成らないと思った。
Yuanyang County is located at south of the Ailao Mountains. It is Well-known mountainous county under the Honghe Hani and Yi Autonomous Prefecture of Yunnan Province and is inhabited by seven nationalities, including the Hani,Yi,Dai,Miao,Yao,Zhuang,and Han. With ancient and elegant mountainous villages ,colorful national customs and national cultures,the country is quite attractive and unforgettable. Yunanyang terraced field is regarded as the Best of its kind in the world. Within the territory of the county, there are over 15,000,000 hectares of terraced fields with all their tremendous beauty. When the sun rises,there are boundless red clouds in the sky and one feels like he is in paradise. The terraced fields look like innumerable ladders towering into the sky with glistening waves,golden and restless. In the end of the winter and at the beginning of the spring, the sea of clouds sometimes look like a good-tempered maiden, lying among mountains and rivers with her breast open to the outside world,accompanied by mountain peaks,trees and houses. (From: Yuanyang Tourist center)
Yuanyang country people
Yuanyang terraced field
中国雲南省の旅 2005年2月5日〜9日
元陽棚田撮影 / Yuanyang terraced field
拡大地図 |
中国 雲南省 ベトナムとの国境沿いに連なる2,000m級の哀牢山系の南部に少数民族が耕した世界最大級の棚田が有ると言う その雄大な有様は世界一の絶景であると幾度も写真家仲間から聞かされていたが、 実際に自分のこの眼で見る迄は、凄いらしいと思ってはいたが、実感する事は難しかった。
上海から昆明 までの移動は飛行機を使う、一日５〜６便程が飛んでおり３時間掛かるが、国内便でありバスに乗る感覚である。 この時期2月7日からは中国は農歴の旧正月と言う事で混雑を心配したが、上海虹橋空港も朝が早かったせいか比較的空いていた。 初日2月6日は昆明に到着してそのまま一泊し翌日の朝５時半に出発する。
（朝が早いので朝食はホテルに頼んでお弁当を用意出来るが、昆明のお弁当には必ず茹で卵が付いて来る。）
この茹で卵と言うのは僕にとっては大変なジンクスが有る代物で、大事な事を控えている時には、絶対に剥いてはいけない代物なのであるが、 その話はまた後で........
昆明から次の宿泊地でもある撮影ポイントの 元陽（新街) まで全長350km ５時間から６時間の道程になる。 空港や市内でもタクシーを貸し切りチャーターする事は可能だと聞いていたが、今回はVIPなお二人をお連れするので、慎重にプランを練った。 写真撮影を目的にした旅は長時間の移動が快適であるか、運転手の質が好いかどうかが非常に重要なので、上海の旅行代理店を通じて 事前に車種をや運転手を指定しておいたのである。 中国全土において時差は無いが、昆明の日の出はこの季節で７時を過ぎていたので、実際にはシンガポールと同じ２時間時差が有ると考えた方が好いのだろう。 時速120K前後で快調に高速道路を飛ばしていると、（通海）辺りで夜が開け始める。 南に向かうにつれて風景がどんどん南方風に変わって来る。赤土の大地にあちこちヒョロヒョロとした灌木が植わっていて、 ヤシの木が生えていたりするので、まるでインドネシアの道路を走っている様な錯覚に陥る。
途中（建水）と言うポイントで事前に上海の撮影老師に確認していた新しく開通した高速道路 （建水ー阿土）を使う これを通るのと今旧市を迂回するのでは１時間は違って来るので重要なルートだ！ （建水）は人口50万の大きな街で燕子洞と言う鍾乳洞 や孔子廟などが有るらしいが、今回はパスする。 その代わり気に入った風景が眼に留まると高速道路でも構わずに途中で何度か車を止めて撮影を行った。
|
阿土に到着すると紅河を渡り元陽の街に入る。
(紅河:この河がベトナムに流れてハノイに抜ける大河：ホン河となりトンキン湾にそそいでいる。)
河を渡り切った橋の袂に（元陽へようこそ）と書いてあるので、「おおぉ 到着したか！」と喜んだが、実は 元陽という町は二つあり私たちのチャーターした車の運転手も勘違いしたらしい。 一つは行政の中心で南沙と呼ばれる新しい街（地図上では元陽と記されている）、 もう一つは 新街 という古い町。古い方が新街なので、こんがらがる事請け合いのネーミングである。 普通に元陽と言うと古い元陽の事らしい。二つの元陽は30km程離れている。 この30kmがくせ者で、南沙から新街までは延々とうねった山道を登って行くのである。
道路にはガードレール等と言う物は所々しか設置されていないので、まさに命がけの気分だがチャーター車の運転手は自信が有るのか 先行車をどんどん追い抜くので、ハラハラする。何度か「安全にね」と声をかけたが、返事はするのだが彼は全くスピードを緩めなかった。 （再生タイヤを履いていない事を祈る）
約一時間で新街に到着するが、海抜2,000m級の山々が連なる山頂にへばりつく様に積み上げられた少数民族の街（元陽）が忽然と目の前に現れて来る。 反り返った屋根の格好や煤けて古びた街並は、アニメ宮崎はやおの世界を連想させる。まさに雲の上に浮かぶ街（天藾の城）その物だ。
新街の入り口は当然坂道なのであるが、そこから既にマーケットが始まっていて色とりどりの民族衣装を着込んだ人々でごった返しているので見ているだけでも楽しい。 彼らは道端に野菜、鶏、魚、衣類、日常生活品のありとあらゆる品物を並べて商いをしている。喧噪の中で出迎えられて、 唖然としていると、そのマーケットの上が我々が今晩泊まる宿であった。
（ 元陽雲梯大酒店:そのものズバリのネーミング:少数民族撮影に絶好のロケーションである）
元陽雲梯大酒店にチェックインを済ませ、昼食後に休む暇もなくホテル下のマーケットの撮影を開始する。もちろん被写体は カラフルな民族衣装を身にまとったハニ族、イ族、ミャオ族、ヤオ族、チワン族である。それぞれの部族で衣装に違いが有るが、 実は前日昆明に付いて早々に雲南民族村 （Yunnan nationalitis villages :少数民族のテーマパークみたいな所で、綺麗なおねいさんの写真が撮れる。:入場料70RMB) を訪れて学習しているので、有る程度の違いが解る。元陽新街にはハニ族とイ族が多いようである。 カメラを向けると一様に恥ずかしがって避けるが、話しかけてから撮ると笑顔に成ってくれる。人々はまだそれ程俗化されていないので友好的だと感じた。 マーケットは非常に混雑していて常に肩がぶつかる様な状態であったが、治安は良好である。 いつ迄この状態が保たれるのだろう、俗化のスピードは早いので多分ここ二三年ではないだろうか？
|
さて小一時間ほどでマーケットの撮影を切り上げてホテルに戻り運転手と打ち合わせると、新街から棚田撮影ポイントまで１時間の道程だと言う 日没の夕日に照らされた棚田撮影が目的なのだが、運転手は日没が夕方７時を過ぎるので、少し休んで４時頃出掛けてはどうかと気を使ってくれたが、 初めての場所なのでポイント設営も考えて早めに出発する事にする。 （やはり今回のメインイベントを前にして気が急いで 居るのだ）
元陽新街の廻りには幾つもの棚田が点在する。全福寨を支点として 牛角寨、多沙、阿猛控、猛品、多依樹、 等々であるが狙いを絞って、到着当日の夕日は猛品棚田 翌日の朝日は多依樹棚田を撮る事にする。
実際に我々は初めての場所を探して山道を登って行くのだが、棚田がどの位の規模なのか見た事が無い訳だから想像も出来ない訳で、少し車を走らせては 棚田が見えると車を停めて撮影をして、また走らせての繰り返しで、棚田に水が入っていない所が多く見られると、心配で農家を訪ねて水入れの時期を聞いたりしながらの 珍道中であったが、それらの心配は猛品棚田に到着した時に吹き飛んでしまった。 谷間のふもとから山の頂上迄どこまでも続く水を張った棚田の稜線はとうてい数えきれなく、逆光に照らされてキラキラと光り輝いている。
人生結構長く生きて来たつもりだが、自分の口から驚きが声に成って出て来るのは久しぶりである 「うぁ！うぉぉ〜」と訳の分からん驚きの呻き声であった。 興奮にかられて数本のフィルムを消費した後で少し落ち着いて、絶好の撮影ポイントを確保して残照に紅く染まる棚田を待ったが、残念ながらそのチャンスはやって来なかった。
こればかりはお天気や雲の状態が作用するのだから仕方なく諦めて機材を仕舞い帰路についた。(僕の茹で卵ジンクスは継続しているのだろうか？）
遅い晩ご飯は午後８時過ぎに食べ始めた、三ツ星ホテルの食堂だが想像以上に美味しくて驚く、特に肉質がジューシーで香ばしくローストされた雲南鶏が美味い！ 少数民族の使う香辛料（唐辛子や胡椒、塩等諸々がブレンドされていてタイの香辛料に似ている） を付けて食べるとご当地ビールの杯が進んだ。 香辛料が気に入ったので、訳を話して茶碗一杯分位をお土産として包んでもらい、お腹一杯に食べ散らかして120RMBであった。
最終日の朝は６時出発で多依樹棚田の撮影である この棚田への山道は石畳の道なので、振動が激しく相当に厳しい乗り心地 （車種を指定してワゴンにして好かったと実感する。）
目的地（多依樹棚田）には日の出前に到着したが、暗くて何が何なのか？ちっとも解らない。既に何台も車が到着していてチラチラとヘッドライトの明かりも見える。 先行組の中国人カメラマン達が既に崖の斜面にポイントを定めて準備しているようだ。 少し焦りを感じるが、真っ暗な状態では危険きわまりない場所でもあるので、ここは我慢我慢！ 車の中で夜明けを待っていると少数民族の子供が茹で卵をホーローのカップに入れて売りに来る。 彼らは先祖伝来の天にも昇る勇壮な自分たちの美田の価値を知らない、 今や世界中が価値の意識に目覚め情報が一瞬のうちに伝わる世の中に成っているのに、売る物は茹で卵くらいしか無いのである。
夜が白み始めるとおぼろげに棚田の全貌が見え始めた、最大級の棚田である。 Super-Angulon-R21mmレンズを使った２カットでも収まりきれないワイドパノラマだ、 切り立った山の稜線がVの字に交わった谷の間から麓に掛けて見事に雲海が広がっていた。 感謝の心を持ってこの地で写真を撮らせてもらわなければ成らないと思った。
|
Yuanyang County is located at south of the Ailao Mountains. It is Well-known mountainous county under the Honghe Hani and Yi Autonomous Prefecture of Yunnan Province and is inhabited by seven nationalities, including the Hani,Yi,Dai,Miao,Yao,Zhuang,and Han. With ancient and elegant mountainous villages ,colorful national customs and national cultures,the country is quite attractive and unforgettable. Yunanyang terraced field is regarded as the Best of its kind in the world. Within the territory of the county, there are over 15,000,000 hectares of terraced fields with all their tremendous beauty. When the sun rises,there are boundless red clouds in the sky and one feels like he is in paradise. The terraced fields look like innumerable ladders towering into the sky with glistening waves,golden and restless. In the end of the winter and at the beginning of the spring, the sea of clouds sometimes look like a good-tempered maiden, lying among mountains and rivers with her breast open to the outside world,accompanied by mountain peaks,trees and houses. (From: Yuanyang Tourist center)